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<品質の追求>
なぜ外国の風景ジグソーパズルが日本で売れなかったかの勉強は大変有意義でした。それは、絵柄に関しての好みが、日本人の感性とヨーロッパの感性では大きく違っていたのです。また前述の通り、ジグソーパズルの品質には、優れた印刷、抜く技術、カードボードの素材といった要素がありますが、いずれも当時の日本では確立していないものでした。印刷に関しては、高度の美術印刷の技術を持つ会社を見つけることで解決しました。カットの技術に関しては、ヨーロッパ各社の工場を訪問する事により、その技術を修得し続けました。一番の問題はカードボードの品質でした。ヨーロッパ各メーカーは、グリーンボードと呼ばれる北欧の柔らかいカードボードを使用していました。しかし日本にはジグソーパズルの歴史がなかったため、箱を作るための堅いカードボードしかありませんでした。最終的に、製紙会社のご協力を頂き、新しいチップを混ぜたジグソーパズル用の柔らかいカードボードを開発することに成功しました。
当社の製品と他社の製品とを組み比べて頂いた方ならお分かりになると思いますが、何かが違います、それは製造方法が違うからです。当社のジグソーパズルを組んで、裏側からご覧になるとわかりますが、カットラインが大変細く、すき間がありません。ピースとピースの間隔が広がると、当然ゆるくなり、間違ったピースでも入ってしまうことになります。そうすると、組んでいく途中、このピースが正しいのかどうかが分からないという不安をいだいてパズルを組み続けることになります。すき間のないパズルを作るためには、カードボードの素材、カットの技術も重要ですが、もうひとつ刃の摩耗ということがあります。何万個ものパズルをカットするうちに、刃は段々切れなくなり、最後の方はカードボードを押しつぶすようになります、そうなるとピースとピースの間隔が広がりますので当然ゆるくなり、間違ったピースが入ることになってしまいます。そこでテンヨーでは、一定の数量までカットしても品質が変わらなくするための、まったく独自の技術を開発しました。その手法についてはご紹介できませんが、これによって、安定した品質のパズルをお届けすることができるようになりました。
さて、そのようにピッタリ組み上がるジグソーパズルを開発したものの、こんどは、それをバラバラにする方法を考えなければなりませんでした。組み合せがゆるいパズルならば、バラバラにするのは簡単ですが、しっかり組み合っている品質の良いジグソーパズルを完全にバラバラにする技術を開発することは、思ったより大変でした。
私たちはジグソーパズルの魅力に惹かれ、最初の頃は年に合計20万〜30万ピースのジグソーパズルを組んでいましたが、それは品質管理と紛失ピースの確率追求も大きな目的でした。日本のように四季があり高温、多湿、乾燥を繰り返す土地で品質を安定させることは、合紙を繰り返すジグソーパズルにとって大変でした。いまでも自社の新製品は実際に組んでみて、品質の情報を工場に流し、品質向上のデータ作りに役立てております。
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