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アメリカのスティーブ・ダシェックさんは、マジック道具の発明で有名です。銀の棒が透明な筒の中でピョコピョコ動いたあと、宙に浮かびあがる「ウンダーバー」など、数多くの傑作を残しています。それらの道具は、ダシェックさん自身が作って販売していましたが、その多くがとてもよく売れ、そのためいくつもの彼のアイデアが勝手にコピーされ、販売されてしまいました。ダシェックさんは「新しいものを作り出すことは、マジックの中でもっとも苦しむ部分なのに、クリエイティブな人間はリッチになったり、有名にはならない。それを手にするのは、マジックを考案した人ではなく、それをコピーして売る輩だ」と嘆きました。
中でもこの「踊るハンカチーフ」は原題を「ウォルティング・マチルダ」といって、もっとも多くのコピーが作られた製品といわれています。テンヨーがダシェックさんに製品化の許諾を問い合わせたのは、その発明から30年以上がたってからのことでした。すでに古典となり、誰の発明かも忘れ去られようとしていましたが、その現象の見事さは、まったく色あせていませんでした。
いまや引退生活を送っているダシェックさんにとって、毎朝、なじみのコーヒーショップに出かけ、近所の方と話しをするのが楽しみのひとつです。テンヨーがこの製品を完成させて、見本を送ったところ、ダシェックさんは、自分の顔写真が入ったパッケージをポケットに入れ、いつものコーヒーショップに出かけ、話し仲間の前で取り出してみせ、ちょっとした自慢話を披露したとのことです。
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