パスパスケース 
  

ふだんさりげなくパスケース(定期入れ)として持ち歩ける実用的な道具です。相手が指定した動物が消えて、パスケースの中に入れておいたカードの絵の中に現れる。パスケースの中に入れた千円札が1万円札に変わったり、相手からもらった名刺が自分の名刺と瞬間に入れ替わったりと、さまざまな使い方ができます。

考案:下村知行(1991)

ブッダペーパーと呼ばれる古いトリックがあります。紙の上にコインなど平らな品物を置き、紙を上下左右から折り曲げてたたんでから開けると、中の品物が消えている、あるいは別のものに変化しているというものです。故石田天海さんの作品に、このブッダペーパーを使い、紙を広げたときに中央に透明な窓が開いているというものがありました。窓の中に1枚のトランプが固定されているのですが、紙をたたんでから開けると、観客が何枚かの中から選んだトランプに変化してしまうというものです。「パスパスケース」の発想は、このブッダペーパーが元となっています。どちらも、本来タネに関わる箇所なので窓を開けることは絶対にしない所に窓を開けてしまい、その結果、違う現象が可能になっています。さらに「パスパスケース」では、カードを自由に出し入れできるため、工夫しだいで多くの新しいマジックを考案することができ、それらの作品を集めて「ワイルドウォレット」という名称で発売されました。