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実際に切った物体が元に戻るという現象の多くは、すり替えによって行われます。その場合、すり替える品物は、ケースに入れるなど相手の視線から隠したり、あるいは瞬時にすばやく行うといった必要があります。相手の視線から隠すことなく、しかもゆっくりとした動作でもすり替えが気づかれないということは可能でしょうか。
1995年に発売した「お札印刷機」では白紙が目の前で少しずつお札に印刷されていきます。これは、白紙を少しずつ隠し、その分だけ本物のお札を少しずつ現すことによって、じょじょに印刷されていくような強力な錯覚を生じさせています。では、同じ考え方を、見た目は同じに見えるもので行うとどうなるでしょう。そう、ずっと見ていたはずなのに、いつのまにか、最初に見せたものとすり替わってしまうのです。
「モバイルイリュージョン」は、そんな考えから生まれました。機構は「お札印刷機」とまるで違いますが、一瞬たりとも隠す必要のないすり替えの原理によって成立しています。
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