ハイビジョンカード

スイッチのついた、テレビ画面状の透明なフレームの中にトランプが現れたり、消えたりします。そして最後にそのトランプを取り出して相手に渡すことができます。トランプが本物とわかったとき、だれもが、そしてマジックの専門家さえ驚きの声を上げることでしょう。

考案 : 鈴木 徹(1992)

“隠せるはずのない大きさの物体が、実際には隠れてしまう”というのが、このトリックの原理で、以前にお札のジグザグ・トリックに使われたことがありました。また、スリットのある窓にカードが現れるというのは、古くからある現象ですが、その2つの要素を組み合わせることにより、まったくいままでにない不思議な現象が生れました。

「ハイビジョンカード」は、マジックの専門家といわれる人たちをも不思議がらせる高度なトリックです。
ある日、テンヨーの開発部に1通のファクスが届きました。差出人はアメリカの科学雑誌「オムニ」の編集者、スコット・モリス氏からで、テンヨーの製品について記事を書きたいという取材依頼の手紙でした。ことの起こりは、パーティーの席で、ニューヨークに住むあるパズルクリエーターがマーチン・ガードナー氏とアメージング・ランディー氏に「ハイビジョンカード」を見せたことから始まります。ガードナー氏は、日本でも多くの本が出版されている著述家で、ランディー氏は、脱出などを得意とするプロマジシャン。超能力者のトリックを見破る活動を行い、ユリ・ゲラーと対決したことでも有名です。その手紙には、初めて見た「ハイビジョンカード」に関して2人が次のようにいったと書かれていました。
ガードナー : 「完全にだまされた」
ランディー : 「まいった。まったく解決がつかない。今までは普通、タネが判るか、判らなくともたぶんこんなことではないかという想像がついた。しかし今回はまったく想像もつかない。間違ったタネの想像すらできないのだ。こんなことは長い長いマジック人生において初めてのことだ。そして、タネを知って、またその巧妙さに感心した。本当にオリジナルなトリックだ! 」
トリックに関してはプロ中のプロであるこの2人の発言が、モリス氏にテンヨーに関する記事を書かせる決意をさせたというわけです。

カードとテレカの出現   テリー・ウォン (アメリカ)
準備として、トランプの裏にテレホンカードを重ねて、2枚をフレームの中にセットしておきます。ここから演技です。つまみを引き上げて、フレームの中に何も入っていないことを見せます。つまみを下げ、スイッチを入れトランプを現します。スイッチを動かし、トランプが見えない状態にしてから、トランプのみをフレームからとり出します。その裏にあるテレカは、出ないようにしてください。もし出てきたらトランプのかげで親指を使って押し戻すことができます。トランプの裏表を見せて、本物のトランプであることを示します。次にもう一度つまみを引き上げてフレームの中が空であることを見せます。つまみを下げ、スイッチを動かすと今度はテレカが現れます。テレカを出して本物であることを見せます。