4Dクロス

十字形のチューブの一方に1本の鉛筆を差し込みます。交差するチューブに別の鉛筆を入れ、中へ押し込むと、鉛筆が鉛筆を通り抜けてしまいます。いくらよく見ても鉛筆がすれ違うすき間などありません。たしかに鉛筆同士が貫通しているのです。鉛筆をチューブから抜いたあと、すべてを相手に調べさせることができます。

考案 : 高橋敬二(1981)

マジックを製品として作り上げる場合、どうやってその不思議さを伝えるかというのは重要なポイントです。テンヨーのマジックコーナーでは、マジックディーラーが常時、実演を行っていますが、もし実演のない売場であれば、パッケージのイラストと説明で、その不思議さを伝えることにことになります。当然それは、実際の演技を見せる場合に比べ、インパクトの少ないものになりますし、時間的な流れのあるマジックでは、説明を読まないと現象がかわらないということにもなります。

パッケージだけで、実際に演技を見せるのに匹敵し、瞬間に現象を伝えるとができるひとつの方法が、日用品を使う貫通現象です。身近な品物がお互いに通り抜けていれば、それだけで強力なインパクトのあるディスプレイとなります。当時は透明なブリスターパッケージを使っていたので、この鉛筆が鉛筆を通り抜けているという表現は、まさにそれを実現したものです。クリエーターとしては、そんな条件からまず現象を設定し、そのあとそれを実現するための原理やネタを考案するということもしなければなりません。